プロに聞く! ホラー作家になるためのQ&A

プロに聞く! ジャンプホラー小説大賞特別企画 ホラー作家になるためのQ&A

絶賛作品募集中の『ジャンプホラー小説大賞』。その記念企画として、ホラーを愛する作家の方々に、連続インタビューを行います。プロが語る、ホラーとの出会い、作品を書く上での秘訣やテクニック、心得など……受賞を目指す皆さん、ぜひ先生方の教えを、作品執筆の助けにしてください。

第6回 小林泰三先生へのご質問です。
小林泰三先生

左)『アリス殺し』(東京創元社)
右)『玩具修理者』(KADOKAWA)

1962年、京都生まれ。1995年、「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、同題短編集でデビュー。同作品は田中麗奈主演で映画化されている。デビュー以降、論理を駆使した作風で、ホラー作品のほか、SF・ミステリのジャンルでも高い評価を受ける。1998年、「海を見る人」で第10回S-Fマガジン読者賞国内部門受賞。2012年、『天獄と地国』で第43回星雲賞日本長編部門受賞。2014年、『アリス殺し』で2014年啓文堂大賞(文芸書部門)受賞。最新刊は、角川ホラー文庫『百舌鳥魔先生のアトリエ』。

ホラーにはまるきっかけになった体験や本、 人生を変えた一冊などを教えてください。

A 楳図かずおさんの作品には衝撃を受けました。特に、『漂流教室』からは強い影響を受けています。人類が滅亡した後の世界に投げ出された小学生たちの生き残りのための戦いは現在でも斬新な物語だと思います。映画では、ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』から影響を受けています。こちらも、カルチャーショックを受けるほどのインパクトがありました。

ホラーを書くうえで大事にしていることは何ですか?

A 読者を楽しませる作品を書くには、まず自分が楽しむことが大切だと感じています。もちろん、人気商売なので読者の嗜好に合わせるように計算しながら執筆するという方法論もあるでしょうが、とりあえず自分が楽しめないような作品で他人である読者を楽しませるということはほぼ不可能に近いと思います。

作品のアイデアはどのように作り出しているのですか?

A 日常感じたふとした疑問や、アイデア・イメージが元になっている作品が殆どです。その時点では、断片的なものでしかありませんが、そのアイデアなり、イメージなりを繰り返し脳の中で再生していくうちに、自然とストーリーが膨らんでいく感じです。単純に結末に向けて成長していくのではなく、前後左右上下に膨らんでいく感じです。

デビューを目指す新人へメッセージ・アドバイスをお願いします。

A 作品を書き始めるのは簡単ですが、完結させるのはある程度の力技が必要になります。たまたまモチベーションが高い時に書き始めたのはいいが、数枚で自分の設定に飽きてしまい、そのまま放置して次の作品に取り掛かるというのが作家志望の方にはありがちだと思いますが、作品を完結させなければ、そもそもスタートにも立っていないということを自覚してください。完結(完成ではない)した瞬間が誕生であり、その時から物語は完成に向けて成長を始めるのです。皆さん、精一杯頑張ってください。

小林泰三先生ありがとうございました!
ミニキャッパー周平の百物語

ミニキャッパー周平(インタビュー)ジャンプホラー小説大賞宣伝担当。ホラー小説への愛から『ミニキャッパー周平の百物語』をブログ上で連載し、おすすめ作品を不定期で紹介している。感想を含めたレビューが作品制作の助けになることを切に願っている。

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