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season

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要 高悟 イラスト:りばた
4人組アイドルグループ「season」。普通の人生を送りたくないリーダーの日菜子、消極的な性格なのにステージでは魅力的な輝きを放つフロントの夏希、明るく良い子だが恋愛経験がなくコンプレックスを抱えるみのり、子役やモデルとしてキャリアを積み芸能界しか生きる道がない優樹乃。seasonは地道な活動と過激な戦略で成功を治めていくが、事件やスキャンダル、家族問題、恋の悩みなど次々にトラブルが降りかかり、やがて混乱と熱狂が加速していく…。  
 
登場人物
・成瀬日菜子…seasonのリーダー。MCやイベントの進行も担当。
・本郷夏希…seasonのフロントを担当。
・西嶋みのり…seasonのフロントを担当していたが降ろされてしまう。
・大原優樹乃…みのりに替わり、seasonのフロントを担当。
 
・高梨ノボル…seasonのプロデューサー。
・木崎…ドリームマイスターのアイドル部門統括責任者。
・石田…seasonのマネージャー。
・鳥羽…seasonのマネージャー。


■season04
 
 
 優樹乃が「アイドル」という言葉の意味を知ったのは、小学四年生のときだった。
 ジュニアアイドルとして出した最初の写真集の撮影で、休憩中にスタッフの一人が教えてくれたのだ。
「優樹乃ちゃん知ってる? アイドルって偶像って意味なんだよ」
 まだ二十歳くらいだった、その若い照明アシスタントは言った。
「グウゾウって何ですか?」
「仏像とか石像とか、何ていうか人形だよ」
 そう聞かされ、優樹乃はひどく納得したことを覚えている。
 撮影で何回も衣装を着替え、言われるままポーズを取る優樹乃は、確かに人形と同じだと感じたからだ。その写真集は、棒のような体型の優樹乃がTバックに近い水着を着て、プールサイドで振り向いているような表紙のものだったのだから、なおさらだ。
 その後、中学生になって英和辞典を引くようになってから、彼の解釈はややずれていると気付いた。しかし、今でも優樹乃にとって「アイドル」という言葉のイメージは、最初に聞かされたときから変わらない。
 偶像。何かの対象となる像。それは通常、信仰であったり憧れであったりするが、芸能界においては「都合のいい欲望の対象」という意味だと優樹乃は思う。
 その対象となる人形。それが優樹乃たちだ。
 
 
 

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