――小説を初めて書いたのはいつごろですか？ きっかけと内容を合わせてお聞かせください。
確か――小学生の夏休みで、とりあえずなんか書いてみた、という感じでした。本好きが高じてですね。大学ノートにシャープペンで手書きでした。内容は......うーん......はっきりとは覚えていないのですが、現代が舞台のファンタジーだったと思います。その頃、流行っていたんですよ。『ハイスクール・オーラバスター』とか『ユメミと銀のバラ騎士団』とか（年代、もろわかりですね！）ただ、当時は完結させる力がなく、途中で投げ出してしまい......。大学生の頃に、再度、小説を書こうと思い立ち、今度はしっかり完結させました。
――自身に影響を与えた作品のタイトルにはどんなものがあるのでしょうか？ 好きだった点とあわせてお聞かせください。
三浦しをん先生の『風が強く吹いている』です。いや、ホント、大好きなんですよ！ 何十回読み返しても、その度に感動するんです。しかも、必ず豚肉いっぱいのカレーが食べたくなるんです！！ めちゃくちゃ、箱根に行きたくなるんです！ 走り出したくなるんです！ あんな誰が読んでも面白い小説を書けたら......といつも思っています。無人島に持って行きたい小説断トツのNO.1です！
――プロデビューを志したのはいつ頃からですか？ 最初からプロ志向だったのか、何かのきっかけがあったのか教えてください。
うーん、『神の御名の果てに...』で賞をいただいてからでしょうか。そこまでは漠然としたものだったのですが、そこで初めて、プロになりたい、と強く意識するようになりました。ただ、そこからがまた茨の道で......何度、挫折しかけたかわかりません。
――小説賞に応募する以前、周囲の方に小説を読んでもらうことなどはありましたか？ あった場合は他人に読んでもらうことの影響を教えてください。
そうですね......何回か、友人・知人に読んでもらったことはあります。これはある意味、ものすごい苦行でした。ああ、自分ってデリケートな人間だったんだなって思いました......チキンとも言いますが。正直、大声で叫んで、その部分の記憶だけを持ち去りたくなるぐらい、恥ずかしかったです。――ですが、常に読み手を意識できるようになったことは、本当に良かったと思っています。誰得な部分や趣味に走った箇所、強引な話の展開など、最初からここはマズイな......というところを、相手のしょっぱい反応や失笑（！）などを思い浮かべることで、事前にセーブ出来るようになりました。そもそも、デビュー後は、常に担当さんに読んでいただくわけで、恥ずかしいとか言ってられないので、そのよい予行練習になると思います――――と、未だに担当さんに読んでもらうのが恥ずかしい私が言うのもアレなんですが......いや、普通に恥ずかしいですよ(笑)
――なぜジャンプ小説大賞に応募しようと思ったのかを教えてください。
多くの先生方もそう答えられているのですが、子供の頃からジャンプが大好きだからです。ノベライズをやれたらうれしい！！ という気持ちも、もちろんありました。それから、実は乙一先生の書かれる切ないホラー作品が大好きで、ほぼ毎回、嗚咽するくらい泣かされていて......。（特に『天帝妖狐』と『BLUE』はヤバイです！！ 号泣です！！ 本当に切なくて、苦しくて、でもどこかやさしくてうつくしいお話なので、読んでいない方は是非......！！）その乙一先生が出身の賞というのも強くありました。
――応募作はどれぐらいの期間をかけて書かれたのでしょうか？ また、応募するとき自信や手ごたえはあったのでしょうか？
実際の執筆自体は一ケ月ぐらいなのですが、構想を練ったりなどの時間はかなり長かったです。実はこの一つ前の賞で最終選考まで残らせていただいたこともあり、そこで落選してから「次こそは......！」という思いを胸に、ほぼ一年近くかけて懸命に作り上げました。まさに、血と汗と涙と執念の作品なので、自分的に手ごたえはあったはずなのですが、今、読むと「ギャー！！」となります。
次回更新は8月15日予定！！
デビューから『青の祓魔師』のノベライズに至るまでのお話をお聞きしました！
お楽しみに！！