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レーベル創設から25周年を記念してJUMP j BOOKS小説賞出身の先生方へのインタビュー を掲載!!受賞当時の思い出や、あの名作がどのように生まれたのかなど、普段は聞くことのできない先生方の貴重なお話が満載ですよ♪

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ぞんちょ/宮本深礼
(みやもと・みれい)

著者略歴
ジャンプ小説新人賞’14 Summer キャラクター小説部門金賞受賞。
同賞受賞作『Rain of Filth』を改題・改稿したのちに『丸ノ内 OF THE DEAD』として刊行。他に『たがやすゾンビさま』や宮本深礼名義でノベライズ作品『NARUTO-ナルト- ナルト新伝』などを手がけ活躍の場を広げている。
第4回 05.30更新 面白い小説を書くためには日々の勉強がかかせない...!

――オリジナル小説を書く上でどういったことに気を付けていますか? 自分のなかで大切にしていること、読者にどのような気持ちになってもらいたいと考えていますか?


 三幕構成を意識して、そこから逸脱しないよう気をつけています。
 あと、先日の『ゾンビを題材にして小説を書く際のこだわり』と回答が被ってしまうのですが、メリハリをつけるようにもしています。ギャップともいえますね。
 笑える会話の応酬から急転直下で不穏な雰囲気に、みたいな展開だと、より印象深いシーンになるのではないかな、と思っています。
 とはいえ、ラストで今までの展開を引っ繰り返す衝撃の結末が! みたいな急転直下はあまり好きではないんです。後味が悪い話といいますか、読者の方には気持ちの良い読後感を味わっていただきたいと考えています。

――作品を書く上で、資料はどのようにして集めていますか? また、集めた資料はどの程度作品に反映されるのでしょうか? 実際に受賞作『丸ノ内 OF THE DEAD』や『たがやすゾンビさま』で使用した例などがあれば教えてください。


 『丸ノ内 OF THE DEAD』のときは、丸ノ内線の路線図をネットで調べたり、調べる必要があれば、ネットに頼ることが多いです。
 ただ、『たがやすゾンビさま』のときは下調べが甘かったせいで、改稿が重なりました。『ファンタジー世界の社畜』がテーマのひとつだったのですが、そこらへんが全然表現できてなかったんです。『元社畜のゾンビがスローライフを送る』というお話ですので、スローライフ関係の本を色々買いました。植物図鑑なんかも買いましたね。担当の添田さんからはログハウスの組み立て方なども送っていただきました。
 予め集めておいた資料ではなく、シーンごとに必要な資料を後から集めた形になりますので、作品への反映度はかなり高いです。

――創作をしているなかで原稿に行き詰まることもあるかと思います。そんなときはどのように気分転換をしていますか?


 軽く20分ほどゲームをしたり、外を散歩したり、ジムで汗を流したりするような生活に憧れるのですが、ゲームで遊ぼうものなら8時間は続けてプレイしてしまうので、原稿中は電源ボタンに触れないようにしています。散歩が気分転換になるようなタイプでもありませんし、ジムに至っては残念ながら近所にありません。
 なので、気分転換らしい気分転換というと、タバコぐらいでしょうか。原稿が詰まりに詰まってどうしようもなくなったときは、タバコを吸っています。
 一時期、一年半ぐらい禁煙してたんですけど、他に気分転換する方法がないので、結局喫煙者に戻ってしまいました。

――これがなくては仕事にならない! というものはありますか? 普段の執筆環境について教えてください。


 なにごとも形から入るタイプなので、はじめて『小説を書くぞ!』となったとき、執筆用のノートパソコンを購入しました。Wi-Fiどころか、ついている無線機能がBluetoothだけという古いタイプの物でした。
 ただ、Wi-Fiがついてないのは逆に良かったです。執筆中にネットを見たり、気が散ることがないので。
 ずっと同じノートパソコンを使い続けていたせいで、それじゃないと書けなくなりました。デスクトップパソコンもあるのですが、画面がデカいせいで気が散ってしまうんです。
 そのノートパソコンはもう廃番になっているのですが、少し前にキーボードの調子が悪くなったときは、わざわざネットオークションでノートパソコンそのものを買いました。型番が古すぎて、キーボードの部品より中古本体のほうが安くなってたんです......
 あとは、執筆ソフトの一太郎も欠かせません。Atokの辞書機能は元より、書いた原稿が縦スクロールではなく横スクロールで閲覧できるので気持ちいいです。
 問題があるとすれば、担当の添田さんが一太郎を使っていないことでしょうか。一太郎のファイルが読み込めないため、原稿の納品時にはテキストデータに変換して提出してるんですが、このやり方だとルビが丸括弧で書かれたり、文字飾りが消えたりと不都合が多いんですよ。
 添田さんも一太郎を導入していただけると、ちょっと楽できるのですが。

画像注:こだわりのノートパソコンとこれまでの著作。

――小説を書く際に、小説を読むこと以外(ゾンビゲーム実況除く)で役にたったことがあれば教えてください。


 映画やバラエティー番組を見ることは役にたった、というより、今以てそれらで勉強させてもらっています。映画は台詞に加えて、どのような構成になっているのかを見たりもします。三幕構成を学んでからかつての名作を見ると「おお......」っとなることが多いです。たとえば『ジョーズ』とかがそうですね。ちょうど中盤でサメが襲ってくるんですよ。バラエティー番組は面白いツッコミやボケをノートにメモるようにしてます。
 海外のドラマもいい台詞が盛り沢山で、昔は『24』や『LOST』をレンタルして見るぐらいでしたが、今はネット配信でもの凄い数の海外ドラマが見られるので、いい時代になったなと思います。

――作家になって良かったことや大変だったことがあれば教えてください。


 作家になって、というよりJUMP j BOOKSのおかげで、大好きな漫画のノベライズに携わることができました。なによりもこれが一番良かったことです。
 大変だったことは、やはり〆切ができたことでしょうか。投稿者時代にも〆切はありましたが、別に〆切を過ぎたところで誰にも迷惑はかからず『間に合わなかったかー』とちょっと気落ちするだけでよかったんですけど、今はそうもいかないですからね。
 たとえば『NARUTO-ナルト- ナルト新伝』の場合、書き出しから〆切りまで一ヶ月しかなかったんです。全四章なので各章一週間で仕上げて木曜日に提出するスケジュールだったのですが、毎週水曜日に『BORUTO-ボルト-』のアニメ放送で次回予告が流れるたび、「果たしてこの話が放送されているとき、原稿はちゃんとラストスパートに入っているんだろうか......」とあたふたしていました。
 なので、週刊連載をこなされている先生方は凄いな、と改めて思います。

――今後どのような作品に挑戦したいか、また、どんな構想を練っているのかなどがあれば教えてください。


 激しい銃撃戦やグロテスクな表現が多い、なんというかとんでもないゾンビものをと考えているのですが、今のところ、あまりゾンビ要素のない怪談の構想を練っています。
 各話で繋がりがある短編集のほうが性に合っているものの、頭からお尻までしっかりと続く長編にも挑戦したいかな、とも思っています。
 個人的には手に取る本も短編集のほうが多いです。一冊でひとつのお話よりもたくさんのお話が読めたほうが、なんだかお得感があるな、と思ったりします。

――これからJUMPjBOOKSの小説賞に応募される方に応援メッセージをお願いします!


 JUMPjBOOKSの新人賞を受賞すると、なんと、少年ジャンプに名前が載ります!
 これだけでも凄いことだな、としみじみ思うのですが、連載漫画のノベライズに携わることもできますし、オリジナル小説の場合はあの先生がキャラクターデザインを手がけてくださるかもしれません。
 そんなジャンプ好きにはたまらない新人賞ですので、ジャンプで育った! と自負する方は是非とも挑戦してみてください。
 受賞の傾向とかここだけの裏テクとかをお伝えできればいいんですが、よくわかりません。ゾンビもので受賞できたぐらいですから、ジャンルの好みはないと思います。
 何か、ここまでのゆるい流れを一転させるような箴言で〆たかったのですが、夜更かしをしてしまったため、今とても眠くて......あと三時間早ければ思いついたんですけど。
 睡眠不足のまま原稿を書くと、だいたい次の日に自分で全ボツにして書き直すことになりますので、おやすみはしっかり取ったほうがいいです。
 このインタビューもセルフボツコースを予感させますが、思い切ってこのままにしておきます。思い切りは大事です。次の展開に迷って筆が止まった場合も、『とりあえず......』の気持ちで書き出してみてください。案外なんとかなるものですよ。

ぞんちょ先生ありがとうございました!!

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