プロに聞く! ジャンプホラー小説大賞特別企画 ホラー作家になるためのQ&A

絶賛作品募集中の『ジャンプホラー小説大賞』。その記念企画として、ホラーを愛する作家の方々に、連続インタビューを行います。プロが語る、ホラーとの出会い、作品を書く上での秘訣やテクニック、心得など……受賞を目指す皆さん、ぜひ先生方の教えを、作品執筆の助けにしてください。

第5回 牧野修先生先生へのご質問です。

左)『MOUSE』(早川書房)
右)『冥福 日々のオバケ』(光文社)
1992年、『王の眠る丘』で第1回ハイ!ノヴェル大賞を受賞しデビュー。 第6回日本ホラー小説大賞長編賞佳作受賞の『スイート・リトル・ベイビー』、第23回日本SF大賞受賞を受賞した『傀儡后』のほか、《呪禁局》シリーズ、『MOUSE』、『楽園の知恵』、『怪しの晩餐』など、ホラー、SF、幻想小説を中心に多数の著作を発表。 近年では、『大正二十九年の乙女たち』から始まる、パラレルワールドを舞台にした青春時代小説を発表するなど、更に活動の幅を広げている。 近刊に、愉快な幽霊たちをテーマにした連作短編集『冥福 日々のオバケ』(3月17日発売)。
Q1. ホラーにはまるきっかけになった体験や本、人生を変えた一冊などを教えてください。
A.

 これはもう間違いなく円谷プロの特撮テレビシリーズ『ウルトラQ』です。ホラーとSF、そしてファンタジーが渾然一体となった恐くて不思議な物語の数々を小学校低学年で見たことが、私のフィクションに対する傾向を決定づけました。

Q2. ホラーを書くうえで大事にしていることは何ですか?
A.

 ホラーは文体、と人には説明しているのですが、「何を描くか」よりも「どう描くか」が重要なジャンルだと思っています。恐怖は雰囲気や気配に宿ります。ホラーでありがちなプロット――雨の夜道で車が故障して電話を借りに一軒家に入る、とか、ホラーで使われる小道具――暗い夜道、墓場、殺人鬼、蛇や黒猫、等と言うものを出してきても、それだけで恐怖を作り出せるわけではありません。読者の心をゆさぶるためには如何に描くのか。その腕を磨くのにホラーはもってこいです。何しろホラーの評価は「恐いか恐くないか」なので、判定がすぐにでてしまいますから。あっ、恐くないホラージャンルもあるよね、という部分には今のところ目を瞑っていてください。

Q3. 作品のアイデアはどのように作り出しているのですか?
A.

 恐いものってなんだろう、っていつも考えています。深夜に乳母車を押してくる女性とすれ違うのって何となく恐いよね、とか、いつも通っている歯医者の先生が、小学生の時一番嫌っていた同級生だったことを思い出すのって恐くないかな、とか。

Q4. デビューを目指す新人へメッセージ・アドバイスをお願いします。
A.

 恐怖を考えるとき、その判断の尺度は己しかありません。自分の中に手を突っ込んで、自分の中の恐怖を引き出してくる作業が、ホラーでは必ず必要になります。自分の中の暗部を探り、怖ろしくて嫌で見たくもないあれこれの中から、それを掴み出してくる作業を、怖がらず嫌がらず真正面から続けてください。
 それって本当はどんな小説を書くときでも必要な作業だと思います。ですがホラーは特にその結果がはっきりと小説に反映されます。頑張って自分の中身をさらけ出してください。

牧野修先生ありがとうございました!
ミニキャッパー周平の百物語
ミニキャッパー周平(インタビュー)ジャンプホラー小説大賞宣伝担当。ホラー小説への愛から『ミニキャッパー周平の百物語』をブログ上で連載し、おすすめ作品を不定期で紹介している。感想を含めたレビューが作品制作の助けになることを切に願っている。

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