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プロに聞く! ジャンプホラー小説大賞特別企画 ホラー作家になるためのQ&A

絶賛作品募集中の『ジャンプホラー小説大賞』。その記念企画として、ホラーを愛する作家の方々に、連続インタビューを行います。プロが語る、ホラーとの出会い、作品を書く上での秘訣やテクニック、心得など……受賞を目指す皆さん、ぜひ先生方の教えを、作品執筆の助けにしてください。

第10回 三津田信三先生へのご質問です。
『怪談のテープ起こし』(集英社)
『誰かの家』(講談社文庫)
奈良県出身。編集者を経て、2001年『ホラー作家の棲む家』で作家デビュー。10年『水魑の如き沈むもの』で第一〇回本格ミステリ大賞を受賞。ホラーとミステリの融合を目指した作品で注目を集める。「作家三部作」、「刀城言耶」シリーズ、「家」シリーズ、「死相学探偵」シリーズ、「幽霊屋敷」シリーズなど、多数の人気シリーズを抱える。集英社からの刊行作品に『怪談のテープ起こし』。近刊に「家」シリーズの『魔邸』、怪奇短編集の文庫化『誰かの家』。

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Q1. ホラーにはまるきっかけになった体験や本、人生を変えた一冊などを教えてください。
Q1. ホラーにはまるきっかけになった体験や本、人生を変えた一冊などを教えてください。
A.

 大学生くらいまでは、主にミステリを中心に読んでいました。ホラーにも手は出しましたが、あまり好きではなかったです。
 ところが、あまりにもどっぷりと浸かり過ぎたせいで、すべてを合理的に割り切ってしまうミステリに、近親憎悪に近い感情を持ってしまいます。その反動から今度はホラーを精力的に読むようになり、気がつくと両方が好きになっていました。
 拙作が常にホラーとミステリの融合を目指すのも、この読書体験があったからだと思います。

Q2. ホラーを書くうえで大事にしていることは何ですか?
A.

 雰囲気です。アイデアやプロットも重要ですが、それらしい雰囲気を文章で醸し出すことができれば、ある意味そのホラー小説は成功したと言えます。すべての作家に当てはまることですが、特にホラーを書く人は、独自の文体が必要だと思います。

Q3. 作品のアイデアはどのように作り出しているのですか?
Q3. 作品のアイデアはどのように作り出しているのですか?
A.

 どんなスポーツでも基礎体力がないとできません。そのため選手たちは少しでも運動能力を高めようと努力します。作家にとっての基礎体力は「どれほどお話を知っているか」です。小説、映画、芝居など、とにかく先人の物語に接することが大切です。
 基礎体力がつけば、自然にアイデアは生まれます。誤解されそうなので断っておきますが、別に真似をしろと言っているわけではありません。習作は模倣でも良いでしょうが、デビュー作にはオリジナル性が求められます。でも、そういった新しいアイデアは、ちゃんと基礎体力があれば考えつくものです。
 できればホラーを極めるくらい先人の物語に接すると共に、その他の分野の作品も読む、または観ることをお勧めします。「どれほどお話を知っているか」は、決してホラーに限らない、ということです。

Q4.
Q4. デビューを目指す新人へメッセージ・アドバイスをお願いします。
A.

 とにかく重要なのは、1「書きはじめる」→2「書き続ける」→3「完成させる」の三つです。もっとも駄目なのは、「キャラがどうの」「アイデアがどうの」「プロットがどうの」と口だけで少しも書かないこと。またはせっかく書き出したのに途中で放り出すこと。
 これまでに何度か作家志望者から質問を受けたことがありますが、「小説を書くモチベーションの維持が難しい」と言った方が結構いて驚きました。
 作家になっている人たちは、ほぼ全員が「自分もこんな小説を書いてみたい」という強い思いから、まず創作に手をつけたはずです。日々の仕事や勉強などで時間がなくて疲れていても、「書きたい」という衝動があったからこそ執筆を続けた。その積み重ねが一編の小説になり、やがてプロ作家への道を開く切っ掛けとなった。小説を書くモチベーションがないのなら、とても作家にはなれません。
 ただし、小説を書くモチベーションと(2)の基礎体力は、正比例の関係ではないか、と個人的には感じています。だから今、仮にあなたが「なかなか小説が書けない」状態にあるのなら、実は基礎体力作りがまだ不十分なのかもしれません。
 それでも1「書きはじめる」→2「書き続ける」→3「完成させる」は、基礎体力作りと並行してやるべきです。最初は習作で構いません。とりあえず書き続けること。その繰り返しで小説は上手くなっていきます。
 あなたにしか書けないホラー小説を、ぜひ完成させてください。

三津田信三先生ありがとうございました!

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ミニキャッパー周平の百物語
ミニキャッパー周平(インタビュー)ジャンプホラー小説大賞宣伝担当。ホラー小説への愛から『ミニキャッパー周平の百物語』をブログ上で連載し、おすすめ作品を不定期で紹介している。感想を含めたレビューが作品制作の助けになることを切に願っている。

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