2599年、『バグズ2号』が火星に向かったころ。一人の〈少女〉が宇宙へと旅立った。名前はギィ、9歳。目的は〈母〉を探して火星に行くこと。ところが、密航した宇宙船は暴力が支配する人殺しの船。少女は謎の〈料理人〉に命を握られ、やがて火星に近づくにつれ、船では〈虫〉が蠢き始める...。絶望の果てで、少女は祈る。愛する母に逢うのを夢見て。 『独白するユニバーサル横メルカトル』で日本推理作家協会賞、同作を表題作とした短編集が「このミス」1位、『ダイナー』で日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞を受賞、『異常快楽殺人』などのノンフィクションでも知られ、実話怪談も数多く手がける、日本文学界きっての鬼才・平山夢明が『テラフォ』を激筆!〈恐怖〉を知り尽くした著者による、〈悪夢〉のような物語が幕を開ける...!