夜十一時半。
どうしても明日までに必要な本があるのに、家の中にあったかどうか分からない、というピンチに陥りました。刊行されたのが結構前なので、行きつけの二十四時間書店にも恐らく置いていないでしょう。今必要なのは、ある程度大きい書店で、深夜一時とか二時くらいまで開いている酔狂な店。「東京 深夜 書店」でgoogle先生の教えを請いました。
神保町から半蔵門線で渋谷駅に、そこから東急東横線に乗り換えて代官山駅へ。小雨のぱらつく中、徒歩十分ほどでたどり着いたのが、深夜二時まで営業の、代官山蔦屋書店でした。東京に住んで十年以上になりますが来るのは今回が初めて。
建物が三つあり、それぞれの一階部分が書店になっていて(各二階部分は音楽や映画のフロア)、喫茶店やトラベルサービスも併設という複合型店舗。無事に目当ての本は手に入れましたが、それはおいといて、来たことのない書店に来たら気分が高揚してしまうのが常の私です。深夜一時にもかかわらずテンションは最高潮。
小説に関しては、多くの書店が出版社・レーベル別に配架しているのとは異なり、この書店では出版社やレーベルを問わず著者順に並べてあり、文庫もハードカバーも同じ棚に並んでいるので、よく知る書店とは異なった様相を見せています。選書も非常に独特で、TSUTAYAにサンリオSF文庫の古書が並んでいるのなんて人生で初めて見ました。そしてSF棚の一番上の段、天井近くに、二〇〇九年から二〇一四年辺りのSFマガジンのバックナンバーがずらりと。買ったのに人に貸したままになっている号が結構あったので、せっかく新刊で入手できるのならこの機会を逃すべきではないと即座に判断。店員さんに踏み台を持ってきてもらい、どうにかこうにか手を伸ばして品定めして複数冊を購入、ジャスト深夜二時。ホクホク顔で家路につきました。
始発を待つため二十四時間営業のファミレスでも探そうとしたところ、代官山というロケーションが祟って全然見つからず散々歩き回ることになり、えらい目にあったのは、また別の話。