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レーベル創設から25周年を記念してJUMP j BOOKS小説賞出身の先生方へのインタビュー を掲載!!受賞当時の思い出や、あの名作がどのように生まれたのかなど、普段は聞くことのできない先生方の貴重なお話が満載ですよ♪

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尾北圭人
(おきた・よしひと)

著者略歴
福岡県在住。
第2回ジャンプホラー小説大賞にて『ザンゲさま』が最終候補に選出。
第3回ジャンプホラー小説大賞にて『自殺幇女』が銀賞受賞となり、同作でデビュー。
第3回 04.26更新 謎多きヒロイン・ヒラサカコヨミの魅力とは!?

――デビュー作『自殺幇女』についてお聞きします。この作品はどのような経緯で書かれたのでしょうか?


 第1回でもお話した通り、出発点は過去に投稿した『自殺願望のある男』だと思います。そこから自殺願望はあれど本気で死にたくはない男が、他人に自殺をさせたがっている女に出会って自殺を強要されたら面白いのかなと思って『自殺幇女』へと繋がった感じですね。
 当初の想定は結局喜劇寄りなので、『自殺幇女』はホラーとして着地したとはいえ、主人公とヒロインであるヒラサカコヨミの関係性にその喜劇性は残されていると思います。やはり、主人公とヒロインで恋愛とまではいかなくても特殊な関係に発展させたいという思いが僕にあるので、今考えるとあえてそういった緩い関係性を残しているんだと思いますね。

――朗らかで親しみやすい、なのに自殺を勧めてくるというギャップが魅力の自殺コンサルタント・ヒラサカコヨミですが、こうしたキャラクターの源流はどこにあるのでしょうか?


 恐らくかなりのキャラクターに影響されて出来上がったヒロインだとは思うんですが、やはり第一に思い浮かぶのは『スパイラル~推理の絆~』の結崎ひよのですね。敬語を話すヒロインで人懐っこく、いつでも主人公のそばにいる存在。高校の頃にこの作品とこのキャラにハマって最終巻が出た時はその正体と結末に愕然としたんですよね。常に僕の心のどこかに引っかかっている理想のキャラの一人なので、彼女はヒラサカコヨミに色濃く反映されていると思います。
 それと太宰治の『令嬢アユ』に登場する令嬢ですね。僕はホラーはやっぱり夏のイメージがあって、事件解決後は夏空の爽やかな感じで締めたいという思いがあるんです。それ自体は映画の『学校の怪談』の影響でしょうけど。太宰治の書くこの令嬢の夏の似合う爽やかな感じが大好きで、変装していない方のヒラサカコヨミは令嬢をかなり意識していると思います。
 最後は西尾維新先生の『掟上今日子の備忘録』の掟上今日子さんですね。新垣結衣さんが主演されたドラマ版を先に視聴していまして、記憶が保たない設定と合わせて近年ではかなり惹き込まれたキャラクターの一人でした。他にも細々と多くのキャラクターの要素が入っているかとは思いますが、大体こんな感じですね。

――作品のこだわったポイント、読者に是非見てもらいたい点を教えてください。


 やはりこれはヒラサカコヨミに尽きると思います。僕はホラーというとやはり妖怪だったり、幽霊や怪人だったりがメインのものを思い浮かべる人間です。これは僕が九十年代に小学生をやっていて、最後のホラーブームと言っても大げさじゃないその時代に見ていた作品に影響を受けているからだと思います。『リング』などわかりやすいですね、貞子という存在がそのままホラーとしての中核、メインになっています。
 『自殺幇女』もホラーとしてのメインとして、ヒラサカコヨミを設定しました。
 なのでヒラサカコヨミをとにかく気に入っていただけるとありがたいです。とにかく彼女一人に集約して作った話だと思うので。

――カバーイラストを担当されたカオミンさんの絵を見たときの感想を教えてください。


 これは本当にヒラサカコヨミをイラストにしていただいて改めてお礼を申し上げたいです。ありがとうございます。
 正直、自分としては明確なイメージがあるワケでもなく、上でお話したとおり漠然としたふわっとしたイメージでヒラサカコヨミを書いていました。そのくせ服の指定だったり、髪型の指定だったりと、変なところは決めてあるワケですよね。かなりご苦労をおかけしたと思います。
 ヒラサカコヨミのイラスト、本の表紙を見て本当に感激しました。自分の創作したキャラクターがこうやって絵になる日が来るとは思ってもみませんでした。本を書くことの楽しさの一つを教えてもらった気がします。

画像注:イラストレーター・カオミン氏により魅力的に描かれたヒラサカコヨミ。

――編集、校正、デザイナーといった様々な人の手が加わって刊行の運びとなりましたが、小説を書いていたときとの違いをどのように感じますか?


 一人でコツコツと書いていた時は、よく言えば自由気ままでしたね。あれこれ悩んで文字を綴ったり、話や設定、キャラクターを考えたり全て一人の作業です。誰かに相談することもないし、自分の考えた展開や言い回しに口を出す人もいない。言ってしまえばやりたい放題で、ストレスもない代わりに大した成長もなかったように思います。
 今回色々な方々と関わってこうして本を出させていただいたワケですが、やはりストレスは強く感じました。時間の制約だったり、担当編集さんとの打ち合わせで内容の修正を余儀なくされたり色々とですね。けれど、そのおかげで一人で書いていた時とは違い、作品についてより深く考える時間が増えたし、アイデアなんかも複数思い浮かぶことが多くなったように思います。書いておしまいではなく、書いてから、そこから更にどうするかってことを学べたかなと感じました。
 あとは反省点としてですが校正の方の手が入ったことで、自分の語彙力のなさや、日本語の危うさを痛感しました。文章って難しいですね。

――この作品を書き終えたことで成長したこと、得られたものを教えてください。


 一番はキャラクターの作り方かもしれません。自信を持てましたし、少しはノウハウを得られたように思います。ただ、ヒロイン以外の活かし方はまだまだだなと感じた部分ではあるので、もう少し複数のキャラをちゃんと動かすべきだったなと反省しています。
 話の作り方に対しても同様で、今回ヒロインをホラーのメインとして話を作りましたが、その難しさと、メリット、デメリットのようなものを漠然と掴めたような気がします。特に今回はヒロインを立たせることに集中しすぎて、話に関してはあまり冒険できなかったなと強く感じていたので、次は話作りにもちゃんと目を行き届かせることが出来るのではないかと思いますね。物語を作る以上は何かしらのテーマも盛り込んでいけたらなと。

次回更新は5月3日予定!!
作品作りの秘訣についてお聞きします!!
お楽しみに!!

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