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レーベル創設から25周年を記念してJUMP j BOOKS小説賞出身の先生方へのインタビュー を掲載!!受賞当時の思い出や、あの名作がどのように生まれたのかなど、普段は聞くことのできない先生方の貴重なお話が満載ですよ♪

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大崎知仁
(おおさき・ともひと)

著者略歴
第9回ジャンプ小説大賞入選。同賞受賞作『ランニング・オプ』(大木智洋名義)でデビュー。ノベライズを手がけた『銀魂 3年Z組銀八先生』シリーズが小説としては異例の大ヒットシリーズとなる。他にも吉本新喜劇の脚本や漫画原作にも携わる。
第2回 06.12更新 めでたく入選!!審査ではあの憧れの先生からの後押しが...!!

――第9回ジャンプ小説大賞入選となった当時のお話を伺いたいと思います。受賞の第一報を受けとったとき何をされていたのか、また当時の気持ちを教えてください


 古い話なので記憶がほとんどないのですが、当時はサラリーマンで、でも受賞の知らせは家の電話で受けたと思うんですよね。だから、家にいたということは夜だったのかなという気がします。当時の編集長が電話をくださったと記憶しています。
 嬉しかったですよ。最終候補に残ったことは事前に知らされていたのですが、俺なんかが入選するはずないよ、という思いと、でもひょっとしたら、という気持ちの間で揺れてましたから。「入選です」と告げられたあとは、頭がフワフワして、どんな会話をしたか覚えていないです。

――受賞作『ランニング・オプ』は大沢在昌先生に絶賛されての受賞となりました。そのコメントを見て当時はどんな気持ちを抱かれましたか?


 嬉しかったですし、信じられない思いでした。前の質問のときも言いましたけど、大沢先生に読んでもらいたくて応募したようなところがあったので。
 ジャンプ誌面に載った選評は、それほど長いものじゃなかったんですが、後日、授賞式で編集部にうかがったとき、審査会の様子をテープ起こししたものを読ませていただいたんです。そのときの審査員は、大沢先生と、栗本薫先生と、高橋三千綱先生と、当時の編集長でした。栗本先生は、僕の作品に対して手厳しいことを仰ってて、たぶん最低点をおつけになっていたと思います。栗本先生のご指摘はどれももっともなことばかりで、テープ起こしを読みながら、赤面恐縮、すいません出直します、という感じだったんですが、そんななかで、大沢先生が防波堤というか、「いやいや、待ってくださいよ、この人、衣装は貸衣装だけど、一応はうまく着てるじゃない。一回チャンスあげたら?」みたいなことを仰ってくれていて、その部分を読んだとき、なんか体がカッと熱くなりましたね。嬉しさと、精進しなきゃいかんな、という気持ちがごちゃまぜになって。

――初めて編集部に足を踏み入れたときの気持ちはどんなものだったのでしょうか?ご自身の想像とは違ったりした部分などがあればお聞かせください


 初めて編集部に行ったのは、授賞式のときだったと思うんですが、今の編集部とは場所も違ってたんじゃないですかね。部署としての規模も、まだ小さかった頃だと思います。書類やゲラが山積みになったデスクのシマがいくつもあって、寝不足っぽい編集者が仮眠してたり、電話の声が錯綜してたり、というようなベタな編集部を想像してたら全然違って、なんか静かなオフィスでした。僕も何を着て行ったらいいかわからなくて、ふだん勤め先の会社で着ていた紺のスーツを着て、書類カバンをさげて、なんだか営業に来た人みたいになってましたね。

――初めて担当編集者と話をしたときどんな印象を持ちましたか? 編集者から投稿作にどういった評価をもらったのかも聞かせてください


 最初の担当ということになると、受賞作を刊行するにあたって、改稿のディレクションをしてくださった当時の編集長ということになるんでしょうけど、僕としては、その次についていただいた現編集長の島田さんのほうが「最初の担当さん」というイメージが強いです。新作をプロットの段階から一緒に作った編集者ということになると、島田さんが最初なので。
 島田さんは物腰も穏やかで話しやすかったですね。年齢もほとんど同じなので、触れてきた作品も同じだったり、似ていたりしたので、感性や感覚を共有しやすかったです。島田さんから、受賞作について特に詳しい感想はもらわなかったですが、好意的には言っていただいたと思います。

――受賞作でのデビューとなりましたが、受賞からデビューまではどのぐらい時間がかかったのでしょうか?また、改稿はどの程度行ったのでしょうか?


 受賞が決まって本が出るまで、どれくらいの時間がかかったかは覚えていません。ただ、受賞時の原稿は、たしか四百字詰めで170枚くらいだったんですよ。それで、これじゃ一冊の本にするのには足りないということで、加筆してくださいと言われまして、60枚くらい書き足したんですよね。主人公の過去エピソードとかを加えて。加筆部分は割と早く書けたと思います。......ただ、デビューとはいっても、『ランニング・オプ』という作品は、今のペンネームの「大崎知仁」名義で出してはいないので、お店でいうと、プレオープンみたいな感覚なんですけど......。

画像注:大沢在昌先生に絶賛されたデビュー作『ランニング・オプ』(デビュー時は大木智洋名義)

――漫画原作や吉本新喜劇の脚本なども手がける大崎先生ですが、どのようなきっかけで小説以外のお仕事をするようになったのでしょうか?


 漫画原作に関しては、数えるほどしかやっていないので、原作者ですと胸を張っては言えないのですが......。ジャンプSQ.で『てとくち』という作品をやったのは、現在の担当編集さんから声をかけていただいたのがきっかけです。SQ.の編集部で原作のコンペみたいなのがありますよ、と。採用されたら河下水希先生の作画で連載になりますよ、と。じゃあまあいっちょエントリーしてみるかということで、時代物の企画を出したら、運よく採用されたというわけです。
 吉本新喜劇の仕事は、今をさかのぼること15年ほど前に、吉本興業の募集告知を見たのがきっかけです。新喜劇の台本を募集します、合格したら作家になれますよ、みたいな告知をしていたのをたまたま見かけて応募したんです。
 前の質問でも答えましたけど、お笑いは子どもの頃から好きで、お笑いの台本執筆を仕事にできれば最高だと思っていました。それで、応募した台本が、劇場にそのままかけられるってことはなかったんですが、「君はスジは悪くないね」ということで制作スタッフさんの目にとまったんです。そこから作家志望者の勉強会みたいなのに呼ばれるようになって、プロットをいくつか提出していたら、そのうちの一つが採用されて、商業デビューに至る、という流れです。

――吉本新喜劇は『ランニング・オプ』のハードボイルドな世界観とは全く違うジャンルになりますが、様々なジャンルを幅広く書くための発想はどのように生み出されているのでしょうか?


 『ランニング・オプ』という作品は、今にして思えば、その時たまたまハードボイルドが好きだったから書いた、というだけで、じゃあ今の僕の作品がハードボイルドテイストかと言ったら全然そんなことはないので、引き合いに出されると戸惑ってしまうのですが......。
 ただ、一つ言えるのは、「近くで見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」という言葉があるように、同じ場面・現象でも、角度を変えたり、設定を少しいじればシリアスにもコメディにもなると思っています。だから、めちゃくちゃハードでシリアスなドラマを観ながら、「これ、新喜劇の設定にも使えるな」と思うこともあるんです。なので、最初にジャンルを意識するんじゃなくて、「こういうシーンを、こういう角度で切り取ればハードボイルドになるな、コメディになるな」という思考法ですかね。

――漫画原作や舞台の脚本などは小説のお仕事とはどのような点で違うのでしょうか?また、小説を書いていたことがどのように役立ちましたか?


 舞台の脚本と小説で大きく違うのは、小説だと登場人物に長いセリフを言わせても、当然ながら登場人物は文句を言いませんが、新喜劇の脚本で長いセリフを書くと役者に嫌がられます(笑)「長いから、セリフを割ってくれ、削ってくれ」とか、リクエストされます。
 でも、舞台や漫画原作で長いセリフはよくない、というのもある意味正解でして......。 小説だとビジュアルがないぶん、ついつい説明的に長く書いてしまいがちなんですけど、舞台だと役者が演じますし、漫画だと絵がある。「あーあ、困ったなあ」とセリフで言わせなくても、役者が困っている芝居をすればいいし、キャラクターがそういう表情をすればわかる。気をつけたいポイントですね。
 小説を書いていたことが新喜劇や漫画原作に活かされたことは......うーん、あまり思いつきません。強いて言うなら、小説はシナリオより文字数も多いし、書いたものがそのまま商品になるので誤字脱字に神経質になります。だから、シナリオオンリーの書き手よりは、僕の原稿は誤字脱字が少ないんじゃないかと......。

次回更新は6月19日予定!!
伝説のノベライズ『銀魂 3年Z組銀八先生』などの制作秘話をお聞きしました!
お楽しみに!!

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