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ジャンプ小説新人賞2022選考結果発表!!


テーマ部門 ひとりご飯

  • 金賞 賞金50万円+楯+賞状 『私と彼女の永遠に交わらない食卓』PN 雨宮いろり あらすじ友人がおらず、家族との仲もよくない高校生の美咲は一人でしかご飯を食べることができない。あるとき、女性が獣のように食べ物を貪る動画を見つけた美咲は、その動画に映っているのが、同じクラスの伊織であると気づいて…!? 講評テーマに対して美咲と伊織という二通りの解釈があり、二人を出会わせることで、さらに掘り下げていくという構成が上手い。文章も巧みで高校生の心理描写も見事。一点、ご飯が美味しそうに見えないという点には賛否分かれた。
  • 銀賞 賞金30万円+楯+賞状 『女幹部の罪深ひとりごはん』 PN エビハラ あらすじヒーローに連敗続きの暗黒組織ダークストマック。四天王の一人「嗜虐のミースラ」は、ある時はヒーローとニアミスしつつ居酒屋で焼き鳥を頬張り、ある時は仲間を探してたどり着いた店でパンケーキに舌鼓を打つ。講評コンセプトが明瞭かつ魅力的な連作。料理やスイーツを美味しそうに、食欲をそそる文章で描写できている点で群を抜いていた。反面、ドラマが弱く、主人公とヒーローが互いに気づかない第一話は肩透かし感があった。
  • 銅賞 賞金10万円+楯+賞状 『お弁当あたためて食べてね』 PN 織原誠 あらすじ祐介の母は二人分のお弁当を作る。ひとつは祐介、もうひとつは誰のものかわからない。母は交通事故で帰らぬ人になるが、その日からタイムワープしてきたお弁当が電子レンジに届いて…。愛情たっぷりお弁当SF。 講評「母のお弁当がタイムワープで届く」というワンアイデアが秀逸。冒頭の「もうひとつのお弁当は誰のもの?」という謎も引き込まれる。母をめぐる主人公の感情を丁寧に描いており、安心して楽しめた。
  • 次回作に期待!最終候補作!『八重君の映えごはん』PN 比邑ネコ

テーマ部門 恋愛

  • 銀賞 賞金30万円+楯+賞状 『高校三年の偽装結婚』 PN 休達人あらすじ高校三年生になった日、早生は幼馴染の咲希から偽装結婚してくれないかと提案される。それは病で余命幾ばくもない父に花嫁姿を見せたい、という咲希の願いからだった。無謀に思いながらも、早生は了承するが…。講評企画性の高さや“恋愛”を書こう、という意欲が見られ、感情の盛り上がりポイントとなるドラマ部分も力を入れて描写されていて好印象。ただ現実的ではない設定や、ご都合に思える部分も散見され改善の余地あり。
  • 銅賞 賞金10万円+楯+賞状 『迷い子たち』PN 桜田一門あらすじ彰が美桜と付き合って1年が経つ。2人が逢瀬を重ねるのは美桜の叔父が所有するアパートの『二○五号室』。彰は美桜から『二○五号室』の奇妙な話を聞く。その押し入れには迷宮が広がっているというのだ……。講評鬼気迫るヒロインを書き切った描写力を評価した。恋愛小説というよりはホラーの趣になっている。嫌悪感をもよおす主人公の造型に賛否があった。読者の感情をどうコントロールするのか、より意識してほしい。
  • 次回作に期待!最終候補作!『歩くのが速いだけ。』PN 春井和幸『雨女はカフェにいる』PN 四宮青

編集部講評

  • 総評 千葉編集長 今回もたくさんのご応募ありがとうございました!
    『恋愛』の顛末を短編で描くのに苦慮する様子とは対照的に、『ひとりご飯』はどれも楽しんで書いているのが伝わりました。その中でも“ひとり”を1番鮮やかに描き切った作品が、金賞に輝きました。ひとり=孤独ではないし、簡単に共感し合わない関係が面白かったです。
    規定内に収めるために世界観やキャラの説明を端折るセンスこそ、訓練で磨けるものだと思います。安易に〝死や病”を舞台装置にしない作品づくりを期待します。次回も皆さんの力作をお待ちしています!!

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