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第10回ジャンプホラー小説大賞
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ジャンプ小説新人賞2025
応募締め切り2025年7月31日23時59分
第9回ジャンプホラー小説大賞
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ジャンプ小説新人賞2022
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第8回ジャンプホラー小説大賞
結果発表
歴代受賞者アーカイブス
2011年-現在
2001年-2010年
2000年以前
第10回ジャンプホラー小説大賞結果発表‼
金賞 賞金100万円+書籍化!
『“この罪を消し去ってください”』
P.N. 高谷再
あらすじ
名家の子女が集う私立久慈雨女学園に入学した月島沙穂は、入学式の日、上級生・月島夜空に助けられる。だが、沙穂が二年前に自殺した花穂の妹だと知った夜空は、沙穂を拒絶する。夜空は花穂の死に関する秘密を抱えていた。やがて、生徒会長・北条からの呼び出しを受けた沙穂は、北条に殺されそうになり……。
講評
罪の隠蔽から始まる、百合要素を含むホラーというのは前例が少なくないが、最新のテクノロジーを利用して心を抉る、「今しか書けない」新しい怪異を描けている。また、抒情的な文体ながら、惨劇パートの描写にも凄味があり、凄絶なラストも印象的。エモーショナルな一方で恐怖面も鮮やかな、心に残る作品。
銀賞 賞金50万円
『南極からの使者』
P.N.霧野つくば
あらすじ
南極観測隊の同行記者として昭和基地に向かった如月達稀は、隊員たちと打ち解けていくが、野外調査の際、ペンギンが大量死している現場に出くわす。更に、隊員の一人が基地内で密かに監禁されているのを発見。達稀は、南極で起きている異変の真実を探るが……。
講評
南極の情景描写と基地生活の細部に、現地取材したかのようなリアリティと読みごたえがある。脱出不可能な、極限の閉鎖環境で進む陰謀を描くサスペンスとしても優れていた。キャラ描写に差があり犯人が分かりやすい点と、ほぼ死者が出ずホラー面で弱い点が残念。
銅賞 賞金30万円
『鴎は王の夢を追う』
P.N. 悠井すみれ
あらすじ
ルートヴィヒ二世の変死を巡って、真偽不明の噂が飛び交うミュンヘン。留学中の森林太郎(後の森鴎外)は、馬車に乗った貴婦人が超常的な力で群衆を虐殺する現場に遭遇。林太郎は、エリスと名乗る少女に助けられ一命を取り留めるが、警察に疑われ逃亡する……。
講評
伝説に包まれた偉人の死の謎に、若き日の森鴎外が挑むという設定が魅力的。19世紀のヨーロッパを説得力ある形で描き切る筆力もあって、伝奇・幻想冒険ものとして優れている。虐殺がファンタジックで現実離れしているため、怖さという尺度では物足りなく感じた。
銅賞 賞金30万円
『壊された玩具』
P.N.浮嶋旭
あらすじ
飯事村(ままごとむら)に住む高校生のミサキは転校生ミクリと親しくなるが、家族からの虐待を目撃。ミサキはあるきっかけでその虐待が偽装と知り、幽閉されてしまう。一方、YouTuberの鏡原道夫と斧塚小道が心霊動画の撮影で村を訪れて…。予測不能の「村ホラー」。
講評
少女編・YouTuber編・解決編の三部構成で、意外な展開や謎解き要素、恐怖シーンが魅力。ただ、視点変更でキャラへの共感や人間ドラマが薄れる点が惜しい。予測不能な展開を活かしつつ、読者の興味を途切れさせない工夫が必要。アイデアや文章の完成度は高い。
次作に期待‼ 最終候補作
『やまめさま』
P.N.田中壱才
あらすじ
大学生の円は、ツーリングで訪れた山奥で、やまめさまと呼ばれる妖怪に出くわす。近隣住人によると、怪異を引き寄せる力と、怪異の接近を警告する性質、その両面をもつ妖怪だという。やまめさまに取りつかれた円は、頻繁に怪異と遭遇するようになってしまい…。
講評
言葉を話さず不気味な外見だが、あの手この手で主人公に危険を報せる怪異が魅力的。恐怖の状況設定にも工夫があり、怖さだけでなくコミカルさもある。連作形式だが、ループの章が長すぎたこと、最終章にクライマックス的な盛り上がりを作れなかったことが弱点。
『狂い屋敷』
P.N.源内勇
あらすじ
高校生の京介は友人たちとともに、日本一怖いと言われるお化け屋敷に挑戦する。しかし、彼らは建物内で、金槌を持った白衣の男や刃物を持った女に襲われる。出口に鍵がかけられ、電話も通じない異界となったその場から脱出するため、京介たちは作戦を練るが…。
講評
各キャラの描き分けが明確で好感度も高いため、彼らが協力して脱出を図る展開に少年漫画的な熱さを感じられた。ホラー面では最後のどんでん返しが最重要ポイントだが、説明不足でやや分かりにくいのが残念。黒幕の初登場シーンは読者に怪しまれないよう工夫を。
『久怨』
P.N.光星風条
あらすじ
大学生の凌嘉は、友人の陽大と七海との旅行を計画したが、束縛の強い両親に反対される。やがて凌嘉のお守りが燃えたのを皮切りに、凌嘉や陽大・七海の周囲で怪奇現象が起こり始め、遂には父母が呪いによって惨死する。凌嘉は呪いを解くため、生まれ故郷へ赴く。
講評
インパクトの強い両親の死亡シーンの描写、無数の呪物によって重ね合わせになった呪いの設定など、ハッタリをきかせようとする意識を感じる。両親の死がホラーとしてのピークになってしまったこと、呪いのスケールに対して解呪が比較的容易なことが気になった。
『指切りの船』
P.N.影津
あらすじ
親友であるイレブンとソラは、クルーザーに乗船時、フェリーとの衝突事故を起こした。一年後、PTSDに苦しむイレブンは、少年刑務所を出所したソラとともにフェリーに乗船。しかし、五百人の乗客が消え、残された少数のメンバーも何者かに殺されていく……。
講評
フェリーという舞台や各キャラのトラウマ設定を生かした演出で、オリジナリティの高い物語、恐怖シーンが作れていた。主人公とその親友が、過去に罪を犯していること自体よりも性格面で好感度が低いため、友情の物語に感情移入しにくいことがマイナス点だった。
※「最終候補一歩手前」作品はnoteにて公開中!
編集部講評
ホラーブームゆえか応募作が増え、作家の技術も上がっています。
先端技術で管理された学園を襲う復讐劇、南極基地で記者が出会う陰謀、悲劇の王と文豪を繋ぐ歴史ロマン、上位三作は全て大枠の時点で、非凡で目を引く着想・設定でした。その上でプロットも起伏に富み、エンタメとして楽しめる完成度の高いもので、賞の結果を分けたのは、「怖さ」の濃淡でした。また、流行なのか、応募作で非常に多かったのが「村」ものです。因習深い村の生贄という設定は先例が膨大で要求が高くなりますが、特異な因習のアイデアと、二転三転し飽きさせない筋書き、そして「怖さ」で評価されたのが『壊された玩具』です。次回もエンタメ性と恐怖の両立した応募作をお待ちします!
歴代ジャンプホラー小説大賞受賞作発売中!!
霊能女子高生のぬいぐるみに転生した
男の運命は!?
第8回銀賞!
『君はテディ』
著者:雨坂羊
表紙イラスト:カオミン
(電子書籍オリジナル)
アプリの死亡宣告を回避せよ!
戦慄の予言ホラー!
第9回銀賞!
『死体予報図』
著者:郁島青典
(電子書籍オリジナル)
次回ホラー賞募集については、
今後のJブックスホームページにて!
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