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2019.01.29 うまくいかん日記 第4回「打ち合わせ」 編集部 添田

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打ち合わせである。なんやかんやの物事は、すべて打ち合わせで決まると言っても過言ではない。打ち合わせというのは、その目的を定め、聞きたいことを準備し、話の流れを想定して臨むものである。誰もがそうする。だが、準備不足で臨まざるを得ない、そんな日もある。校了が迫っているとき、想定外のトラブル処理に追われたとき、新しく買ってみた味噌で作った味噌汁が美味しくなかったとき、朝までカラオケ、ハイボールの飲み過ぎでやらかしちまった二日酔いのとk......


あえて準備をせず、明確な目的や答えを用意しないことで、思わぬ方向に話が広がる打ち合わせもある。そういうのを「黒澤明式」という。映画界の巨匠・黒澤明監督は、結末を決めずに脚本を書き始めたという。映画とは見る人を驚かせるもの。容易に予想できるストーリーではなく、思ってもみない結末へ、欲しかった答えのその先にいくのが映画というものなのだから、脚本を書く本人こそが驚きながら書くわけである。なるほど、参考になるところがありそうだ(ちなみに、結末を決めて書くのは「木下恵介式」と言う。黒澤明監督の盟友で、日本を代表する社会派映画の巨匠である)。


その日、作家先生との打ち合わせで、おれは準備をしなかった。あえて準備をしなかったのではなく、なんやかんやでそうなってしまった。なんやかんやの、ただの怠慢である。黒澤明式で行くしかなかった。おれの中にいる『七人の侍』で迎え撃たねばならない。でも侍は、村の農民とかなり綿密に準備してたよね。あれ、もしかしてやばい? 


せめて面構えだけでも侍でいようと、くっと口元を引き締めて喫茶店の扉をくぐる。作家先生のほうが先にいる。あちゃー。「すいません〜〜、ちょっと遅れちゃって〜〜」なんてヘラヘラ言って、侍の顔が急に間の抜けた農民みたいな顔になる。『七人の侍』になんかおれに似た名前の農民がいるんだよね。与平って、おい。


注文していたコーヒーが到着した。「本日のジャワコーヒー」だ。準備をしないままの打ち合わせが始まる。だが幸運にも互いの知見が重なり合って、次から次に話題は尽きずに超盛り上がり、なんやかんやの物事が全部決まる......そうなるといいなあ、と思っていたが、案の定、打ち合わせは進まなかった。多少、前日のお酒が残っていたせいもあるかもしれない、朝飲んだ味噌汁が美味しくなかったからかもしれない。まあ進まなかった。「コーヒーうまいっすね」とか水を向けてみても、「はあ」とか「そうですね」とか、そんな感じである。「コーヒーうまいっすね」じゃねえだろう、おれ。今日はだめかもしれんね。


そのとき反応があった。「ジャワコーヒーって......」。そうそう、なにも準備してないんだから、まずは目の前にあるコーヒーの話題から話を広げていくしかないっしょ。その当時は喫茶店が舞台の安楽椅子探偵ものが流行っていたのである。。おれは続く言葉に期待した。「うまいっすね」。おれの中の与平はいつのまにか裸足で逃げだしていて、なにも思いつかないおれは「めっちゃうまいっすね〜〜」とオウム返しするほかなかった。その日の打ち合わせは、コーヒーの感想を言いあって終わった。


最近、コーヒーの本を読んだ。『コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液』(中公新書)である。アラブ世界からはじまり大航海時代を経て、コーヒーによるグローバルな近代市民社会への影響を解き明かす名著である。黒い血液=コーヒーなわけである。かつて飲んだ「ジャワコーヒー」はえらく暗い歴史のうえに成り立っており、おれは落ち込んだ。だが、この本を読んだ今のおれの中の与平なら、逃げだすことなく、ジャワコーヒーを目の前にしてなんやかんや語れる気がする。それがなににつながるかはわからないけれど。打ち合わせはちゃんと準備しよう、なるべく木下恵介式でいこう、でも黒澤明式の与平もちょいちょい出していこうと思う次第である。

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